亀井 徹

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Toru KAMEI

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ARTIST  Statement

『制作における立場』


 内側から発する心の中の澱みのような何かを、昇華させて形ある物として美しく現したい。そんな衝動に駆られます。正直に、嘘のないよう に、形の定まらない感覚や感情、情動などの心の有り様、意識下の世界を、形ある物の姿を借りて、私秘的に、象徴的に、表します。


 不定形な自分の内面というものに形を与えることは、現実と乖離する 一種の逃避的行為だと思います。数匹の蝶の群れが、ひと時花に結束し、好き勝手に飛びながら、また結束する。繰り返される一連の様は、一つの肉体に魂を定着しつつ一部が遊離し浮遊してはまた戻る様を連想させます。現実から乖離してはまた戻る、僕はそのように自分の作品と関わります。僕の作品は現実からの逃避や乖離した時間の集積なのです。描く事は現実の無力感や虚ろな心に一時暖かさを取り戻す慰めの行為、切ない陶酔に似ています。それは現実世界を拒絶するのでなく、そこに身を置きながら現実に対峙し、対応するための善処なのです。



『髑髏について』


 しばしば画題となる髑髏について。

かつて髑髏と言えば生前に露見する事はありえないものでした。それが美術の歴史の中で死や命の儚さを象徴する記号となった理由だと思います。しかし現在は完全な健康体のまま、外科的処置なしで自分の髑髏も、輪切りの内蔵すらも目にする事ができる時代となりました。

僕の描く髑髏のイメージは自画像の一種と言えるかもしれません。髑髏はおもての感情を表す顔面の裏にあるもの、言葉を越えた意識下の世界を象徴すると考えます。